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リーマンブラザーズ倒産の原因とは?リーマンショック後のアメリカの対応とその後のアメリカ経済とは?

 

リーマンショックから10年が経過しました。リーマンショック後、どんな対応が取られたのか、その後の産業構造やアメリカ経済はどうなったのか、どうしてリーマンブラザーズはつぶされたのか。

この記事では、リーマン・ショック後のアメリカや世界経済について見ていきます。

なぜ生じた?リーマンショックでは何が起こった?

リーマンショックはなぜ生じたのでしょうか?

原因の一つには、ITバブルの崩壊があります。アメリカの投資家達は資金を投資したいと考えています。ITバブルが起こっていた時期は、その投資先はIT企業に集中していました。しかし、IT企業がふるわなくなると、IT系に集まっていた資金が行き場を失います。


ところで、景気が悪いことを政治家はよく思いません。自国のために、というより、現職で重要なポストを確保している政治家の人々は、景気が悪いままだと次回の選挙で負けてしまう確率が上がることから、なんとか景気を回復しようとします。

 

少なくとも、景気を回復するために政府が必死に頑張っている、対策を講じている「ふり」をするわけです。一般的に政府は、景気が悪くなると、金利を下げます。金利が低い方がお金を借りやすいからです。

 

アメリカも、9・11以後、金利を下げました。今から考えれば、必要以上に金利を下げてしまったのかもしれません。政権的に言っても、金利は下げたいというのが本音です。

 

金利が下がると、お金が余り、お金を貸し付けやすくなります。すると、お金持ちは投資が活発になります。しかし、前述の通り、ITバブルがはじけたアメリカでは、投資の行き場をなくした資金があふれるようになっていきました。

 

その結果、投資家に目をつけられたのが、そう。リーマンショックの発端となる住宅ローンでした。

 

当時、住宅価格が上がるようになってきたことから、投資がなされるようになっていきます。投資に投資が重なり、住宅価格はさらに上がっていきます。

 

 

そうなると、「家を買うこと」が合理的だ、とみなされるようになっていきました。貧しい人もそう考えます。

 

貧しい人向けのサブプライムローンが多く組まれるようになっていきました。

「サブプライムローンの神話」と呼ばれる話しがあります。これは、

1.住宅価格が上がり続ける
2.借り手の所得が低くても、住宅の売却にてお金を返済できる

というものです。

 

 

日本のバブルとどこか重なるところがあるのはお気づきでしょうか?根拠もなしに、価格が永遠に上がり続ける。人々はそう信じたのです…。


このように、投資家に加えて貧困層までが住宅を購入するものですから、数値化はここではできませんが、相当な価格上昇があったことが容易に想像できるでしょう。


住宅バブルの崩壊

住宅価格はうなぎ登りでしたが、そういつまでも浮かれてはいられません。やはり、バブルには崩壊の時が訪れるのです。

 

日本のバブルも、アメリカのリーマンショックも、共通している点があります。それは、「ソフトランディングに失敗したこと」です。日本のバブルへの介入時期は遅すぎた、と言われます。

 

景気が過熱しすぎる前に、少しずつ、元の水準に戻すための介入を行わなくてはならなかったのです。介入のタイミングが遅すぎた結果、一気に価格が下落し、借金を抱え、倒産する企業が続出したのです。

 

アメリカもそうです。

 

住宅価格の過度な上昇を懸念したFRBが景気の過熱を恐れて、金利を正常値に戻す介入を始めた時には、すでにタイミングが遅かったのです。

 

介入がさなれ、住宅価格が下落し、住宅バブルは崩壊します。その結果、本来価格の上昇を見越して購入した住宅の価格が大幅下落し、手元には大借金が残ります。結果、サブプライムローンが返済できない借り手が続出したのです。


そこから、金融機関の不良債権の急増と経営破綻へとつながっていきます。

 

バブルを崩壊させると自分たちの利益が減ってしまう、もう少し…という気持ちから、対応が遅れてしまったのです。日本のバブルでの教訓は、アメリカのリーマンブラザースには活かされることはありませんでした…。

 

リーマンブラザーズ破綻と民主主義国家の脆弱性

金融機関は、破綻か否か、ぎりぎりの攻防が続いていました。アメリカ政府は、アメリカ経済や世界経済への影響を恐れ、救済する必要があることは認知していました。

 

ところが、多くの大手金融機関がかろうじて救済される中で、一つだけ事実上倒産させられた企業がありました。

 

それが、リーマンブラザーズです。ベアースタンズやAIGは救済された中での倒産です。

経済学的にも、経済合理性の観点から、金融危機を拡大させないためには、救済するのが妥当とされています。しかし、それを許さなかったのは、実はアメリカ国民です。

 

どういうことなのでしょうか?

 

その答えは、金融機関への嫉妬にありました。

アメリカは大きな経済力を持つ国とされていますが、実は、国民の多くは格差に苦しみ、日々の生活をやりくるするのがやっとの中間層とされています。

 

中間層は多くの場合、体力の求められる仕事に従事します。汗水垂らして働くことが美徳といった精神が根付いているのが特徴的です。

かつて、リーマン・ブラザースは優秀な人が多く入社を希望する企業でした。1年目での給与は1000万円です。いかに給与水準が高いかが分かります。他の大手金融機関も、かなりの高給であったことが想定されます。

 

汗水垂らして、生活がやっとの給与を稼ぐ大多数のアメリカ人の目には、金融機関で働く人々は、涼しいオフィスの中でそれほど汗水垂らして働かず、肉体的にそれほどきつい思いをせずに、楽をして高給をもらっていそうなイメージのあるとして写りました。

 

嫉妬の対象となったわけです。

 

世論調査をすると、当時、「金融機関を救済する必世があるか」という調査に対し、「救済する必要あり」と答えたのは、アメリカ国民のわずか5%。

 

残りの人は、金融機関で働く人々に嫉妬し、「そんな奴らのためになぜ税金を投入してまで救済するのか」という気持ちであったのでしょう。

 

困ったのはオバマ政権です。

 

選挙が近い中、このような世論を無視して金融機関を救済することは、現実的ではありませんでした。しかし、経済学的には、救済することがアメリカ経済にはプラスです。

 

このような中、アメリカ政府が決断したのは、「目立っていて、倒産してもその影響力が少なそうなところをつぶす」ことで、国民の納得を得ようとするものでした。

 

すべての金融機関を救うことはせず、つぶしたことがそれなりに評判になるような金融機関をつぶしておけばよい。でもそれほど経済に悪影響がないところを…。

 

そうして、ある意味「犠牲」になったのが、リーマン・ブラザーズでした。

 

他の大手金融機関が救済される中、「なぜうちだけ?」と当時のリーマンの社員の人々は不満だったと思われますが、政府的には、妥協案としてリーマン・ブラザーズに倒産してもらうことで国民の理解を得ようとしたのです。


以後、この事例は、世論が大きな影響を持つ国において、政府や政治が合理的な選択をとれない事例の一つとして認識されることになります。

 

1990年のバブル崩壊と2008年のリーマンショックの違いとは?

日本のバブル崩壊とリーマンショックには、共通点があることはさきほど述べました。

 

では、ここでは日本国内の資本が土地に向かった1990年と、グローバル化が進んだ2008年の違いについて確認しておきます。

 

実は、2008年の方が集まる資本額が桁違いに大きいとされます。値上がりも短期で激しいものになり、そして崩壊のダメージも直に世界中に広がりました。

グローバル化が進んでいること、そしてその影響がより直接的に、大きなものとなっていることが、ここからもうかがい知ることができます。

 

 

リーマン・ショック後の投資先は?危機はもう起こらないか?

2018年現在の投資先は、どの国に集中しているのでしょうか?

近年注目が集まっているアジアや、ヨーロッパなどの新興国に投資が行われているイメージがあるでしょうか?

 

もちろんその傾向はあったのですが、投資先は、しだいにトルコなどの新興国から、アメリカへと戻る傾向があることが報告されています。

 

新興国よりもアメリカの方がよいと、投資家が再び考えるようになったのです。
その結果、経済発展の多くを投資に依存していた新興国が、危機に陥ることが懸念されています。

グローバルガバナンスの調整が、再び求められているのです。

投資が1国、それも特定産業に集中することは、危機が再び起こる可能性を否定しません。

リーマン・ショックからの回復は?

アメリカの株価は4倍近くになるなど、危機からは回復がなされています。回復の要因は、政府が果たした役割ももちろんありますが、IT企業の伸張が挙げられます。

 

GAFA(Google、アップル、フェイスブック、Amazon)の存在感は大きく、2018年アップルの時価総額は1兆ドル、(110兆円)を超え、日本の赤字予算を超えています。

 

逆に、リーマンショックがIT企業のチャンスにつながった側面もあります。

 

危機後、世界的に金融緩和政策がとられました。その結果、世界中でマネーが余りの状況になり、どこに投資すれば儲かるのか投資家達は考えた結果、投資がIT企業に集中し、一人勝ちになります。


時価総額のトップ企業は、IT企業が独占するようになっていきます。IT企業は1人当たりの生産性が高く、サービス業やその他産業に比べ、少ない人数で多くの富を築くことができる性質から、人件費も抑えられ、企業に富が蓄積されやすい傾向もあります。

産業構造の変化が起こる 製造業からIT企業へ

IT企業への投資の集中も進み、その他の企業への銀行資金や資本は不足した結果、貸し渋りが起き、企業の資金調達が困難になっている現状があります。

 

投資や消費は急速にしぼんだ結果、製造業が厳しい状況になってきています。
2009年には、ゼネラル・モーターズやクライスラーが破産しました。

 

米国製造業の苦戦は続き、GEは2016年に家電事業を売却、2018年に祖業の証明事業から撤退、大リストラを行いました。

 

 

製造業からIT企業へと、産業構造の転換が進んでいるのではないか、と言われます。

製造業で働く人々は雇用を失いましたが、その分の雇用がすべてIT企業に吸収されたのかというと、決してそうではありません。

 

前述の通り、IT企業は少ない人数で多くの富を築くことができる以上、製造業とIT企業で同じ額を稼ぐには、はるかに少ない人件費と雇用でまかなえます。


製造業で職を失った人も、IT企業でその受け皿を確保できるわけではないのです。

すると失業率が上がるのか、というと、そうでもなさそうです。

 

アメリカは失業率が低い国です。すると雇用の受け皿はどこかというと、どうやらサービス業となっているようです。いわゆる、それほど給与の高くはない業種です。あくまで一般的に当てはまる場合です。


雇用はあり、仕事はあるが生活レベルが下がっているのがアメリカの現状となっています。


このような現状も、より格差を拡大させる原因となっています。