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アメリカの政治経済における中間層の怒りとは? 『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』を読んで

 

アメリカには、ホワイト・ワーキング・クラスと呼ばれる、中間層に位置づけられる人々がいます。彼らは自分たちの仕事に誇りを持ち、経済的な自立に対する高い意識を持っていますが、同時に貧困層が政府から援助を受けていることとその姿勢、および政府が貧困層にしか手をさしのべないと怒りをあらわにしています。ここでは、『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』ジョーン・Cウィリアムズを読んで、アメリカの中間層について、現状をおおまかにまとめてみました。

 

Q アメリカ政治経済における、中間層の怒りとその位置付けとは?

  • ホワイト・ワーキング・クラスとは
  • 経済的な自立への高い意識
  • 中間層への補助の少なさの批判
  • 政府は貧困層しか補助しないという思い込みと妬み
  • ブルーカラーの仕事への誇りと、ブルーカラーを軽蔑する人への怒り
  • 専門職への不満と軽蔑、専門職就職を望まない
  • 家族第一主義の尊重と仕事第一主義への批判
  • 大学に進学する意義を見出せない現状

アメリカにおけるホワイト・ワーキング・クラスとは

富裕層でも貧困層でもないという意味での中間層の労働者階級としての白人のアメリカ人を表す言葉として、ホワイト・ワーキング・クラスという言葉が使われる。

アメリカの中間層における経済的自立への高い意識

ワーキング・クラスは、仕事への誇りを持ち、自身の責任の下、政府からの補助なくして経済的に自立しなくてはならない意識を持つ。

所得水準が低い貧困層には十分な社会福祉制度が実施されているのに、実際には経済的に余裕がなく補助を受けるに値するであろう中間層には政府から経済的補助が十分に得られなく、待遇の差が顕著であることへの不満をあらわにする。

同時に、中間層は経済的に苦しくともなんとかやりくりをして少ない補助の中で生活しているのに、実際にそれほど所得の変わらない貧困層は十分な援助に依存していることを非難する。

アメリカの中間層への補助の少なさの批判中間層への補助の少なさの批判・政府は貧困層しか補助しないという思い込みと妬み

さらに、経済的基盤が揺らぎつつも、社会に無視され補助を受けられないという考えをメディアで嘲笑され、クリントンに「嘆かわしい人」などと言われることに傷ついた。ブルーカラーの仕事や忍耐を誇りとする名誉を傷つけていることに怒りを覚えている。

ワーキング・クラスの人々の仕事は単純作業の反復で、肉体的に厳しいことが多く、報酬も多いとは言えない。その中で、自身を律し、反抗的な態度を取らない意味での勤勉さを持ち、生活が成り立たないほど困窮しない限りは政府からの給付を嫌悪し拒否する傾向がある。

専門職への不満と軽蔑、専門職就職を望まない

ワーキング・クラスの者は、専門職に対する軽蔑と不信感をあらわにする。ワーキング・クラスの人々は誠実さや率直な言い回しに美徳を感じ、スキルが求められる仕事に誇りを感じる傾向がある。

その前提に立つ彼らは、専門職が駆け引きや人を管理する能力などの社交的なスキルには長けているくせに技術的な面では無能であるとして非難する。

アメリカの中間層とエリート層の意識の差がある

仕事第一主義で仕事に意欲的な専門職の人の価値観と、家族やコミュニティを大切にするワーキング・クラスの価値観の相違という点でも対立が生まれている。

大学に進学し高等教育を受けることへの意識の差も特徴的。大卒でないとまともな仕事につけずそれなりの生活しか遅れないという認識はワーキング・クラスも持ちつつあるが、根強く存在する企業の出身社会階級への差別や、ワーキング・クラスが家庭環境の中で上流社会でのマナーを体得することの難解さにより、大学を卒業しても高い収入を得られる仕事につけるとは限らない。

ワーキング・クラスは、親の人脈では上流大学を受験するためにするべきことや一流大学へ進学する上で重視される課外活動への参加方法などの知識を得られる環境になく、加えて大学進学に反対する大人に囲まれた環境下に置かれることも多い。これらに加え高額な学費の負担も求められ、入学に必要な学力の習得にも経済的な負担や指導者、環境が求められる点からしてもハードルが高い。

 加えて、ペンを使って働く仕事へのあこがれが低く、肉体労働を地域貢献できる仕事として誇りに思う傾向がある点からも大学進学を望む者が少ない。

加えて一流大学ではワーキング・クラスに寛容でない友人や職員もいるなど、居心地の良い環境ではないようだ。

ワーキング・クラスを黒人と同じ社会的弱者とみなして同レベルの公的補助を付与するのでなく、黒人をはじめとしたアメリカにおけるあらゆる社会的弱者の存在を認め、尊重することである。

政府が行っているサービス内容についての無知により、自分たちが公共サービスを受けていることを知らない。政府が国民の生活に対してどのように役立っているかを知らない。

中間層への補助が見えづらい。政府が助けるのは貧困層だけだと思い込んでおり、自分たちが補助の対象となっている場合も認識していない。

なぜこのような現状になったのか。

保守派が行ってきたネガティヴキャンペーンが成功してしまったため。

アメリカの中間層の怒りを鎮めるための対策とは?

→公民教育を再構築することが必要

→貿易政策

取引協定を結ぶ際に、そこで働く人に職業訓練を実施することを忘れてはならない。自由貿易協定を結び影響を受ける地域で失業した人に対し、政府が責任をもって職業訓練を補助すること

→中絶問題

子供を産まない親には権利を認める

高卒程度の資格は求められるが大卒程度のスキルは求められないミドルスキルジョブの働きてが不足している。以前中止した職業訓練制度を導入し、需要のなくなった仕事に就いていた労働者たちを新たなスキルを与えるための制度を構築して実践していくこと。