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冷戦の終結と安保理による武力行使の容認 湾岸戦争を事例に

 

安全保障理事会と湾岸戦争の関わりは?

冷戦の終結とともに、国連の安全保障理事会は武力行使を容認するようになっていきます。その例として、湾岸戦争をもとに考えてみます。

湾岸戦争とは?

湾岸戦争は、イラクがクウェート侵攻を行ったことを皮切りに、国際連合が多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆して始まった戦争を指します。

国連が軍事的措置を容認するのはなぜ?

国連における安全保障理事会が、平和の破壊などを認定した場合でも、国連憲章で規定されている国連軍は、実際には存在しません。

その現状を踏まえ、安全保障理事会が軍事的措置を勧告、容認する行為が続けられてきました。

湾岸戦争も、その事例の一つとしてとらえられます。

湾岸戦争におけるイラクへの対応

1990年にイラクがクウェートに侵攻した際に、安保理は、加盟国が、国連安保理決議を「堅持かつ履行し、その地域における国際の平和と安全を回復するために、必要なすべての手段を取ること」を容認しました。(安保理決議678)

安保理決議678を受けて、多国籍軍はクウェートからイラク軍を撤退させます。

湾岸戦争における安保理決議678の憲章上の位置づけは?

朝鮮国連軍や多国籍軍の行動について、国連憲章上の根拠には争いがあったとされています。

いくつかの国連憲章の立場から、根拠を述べていきます。

国連憲章42条説 湾岸戦争をとらえる根拠になる?

国連憲章42条とは、軍事的措置についての規定です。

安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、または不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍、または陸軍の行動を取ることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍、又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

 

ちなみに41条とは、非軍事的措置について規定したものです。

安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の安全を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、通信、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部または一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。

もうひとつ、43条もかかわってくるので載せておきます。43条は特別協定に関わる規定です。

 

1.国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基づき且つ一又は二以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。 2.前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。 3.前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国郡との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続きに従って批准されなければならない。

42条説は、42条で定められた軍事的措置は、43条にもとづく特別協定が締結されていなくても発動されうるとしています。

また安保理決議678で認められた国際の平和と安全の回復という目的は、集団的自衛権の目的を凌駕するものであるとして、51条では根拠づけることができないとしています。

51条説 湾岸戦争をとらえる根拠になる?

51条の集団的自衛権が根拠とする理由は、朝鮮国連軍関連安保理決議(決議83)における「武力攻撃の撃退」という目的や、湾岸多国籍軍関連安保理決議で、「個別的又は集団的自衛の固有の権利が確認」されたことに注目しました。

加えて、特別協定が存在しないこと、兵力使用計画および指揮を安保理がコントロールしていないことから、42条による軍事的措置とは位置づけられないというのが、51条説の見解です。

なお、この42条説と51条説による集団的自衛権の行使とは両立が可能であるとするいう見解もありました。678における武力行使の容認を、39条の勧告と位置づけ、同勧告により多国籍軍による武力行使の違法性が阻却されるとする見解もありました。