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覇権とは?覇権の条件や挑戦・今後の国際社会での覇権について解説

 

世界でのリーダー的立場、覇権国。アメリカがその役割を果たしてきましたが、しだいに中国が台頭してきています。

この記事では、覇権国となる条件や、覇権国への挑戦、今後の覇権国などについても見ていきます。

覇権とは?

覇権とは何でしょうか?

ロバート・コへインによると、物質的資源で優位性を持つ国のことを指します。

物質的資源とは?

物質的資源とは、以下のものを指します。

  • 原材料
  • 資本
  • 市場(市場の規模は拡大)
  • 高付加価値財生産の優位性=もうけの多い商品生産に長けている(つまり、ある市場において、競合他社がまねできないような技術やノウハウを活用した、顧客ニーズのある商品)

優位性とはどの程度のこと?

では、優位性は、どの程度優位であれば、覇権と呼べるのでしょうか?

一般的には、「主要な国力を図る指標で2位の国に2倍以上の差をつけている国」を指します。ただし、その「指標」は一定ではなく、GDPなのか、軍事費なのか、貿易なのか、投資なのか、援助なのか、不明なところです。

20世紀のアメリカは多くの指標で優位性を保ちましたし、イギリスは19世紀に海外投資や貿易においてのみ優位性を持っていたと言われます。

ところで、覇権を握る資格があるのは、国家のみなのでしょうか?単に経済規模だけで言うなら、国家に匹敵する多国籍企業が多数あります。

実は、企業には「暴力の正統的独占」という近代国家が有する資格はありません。企業は他の企業や国に国際経済秩序のルールを強制することはできないのです。

軍事力に裏打ちされた「強制力」があるのは、国家だけだと言うことです。

覇権の種類とは?

覇権にも種類があります。

大きく分けて、軍事覇権と経済覇権があります。

軍事覇権とは?

軍事覇権とは、軍事力をベースに従わない国を占領できる能力がある国家のことです。項羽、ルイ14世、ナポレオン、ナチスがそれを狙いましたが、失敗しています。

代表的な指標は軍事費となっています。

経済覇権とは?

経済覇権の代表的な指標はGDPです。実は、経済覇権と軍事覇権は一致するという傾向があるとされます。(日本は例外)

覇権国への挑戦とは何か?誰が挑戦だと認識するのか?

覇権国への挑戦とは、覇権国の立場を何らかの形で揺るがすような現象や行為、言説を指します。

ここでいう現象とは、単なる経済成長を指すのか、は微妙なところです。高成長を果たす国は多数ありますが、覇権国を揺るがす規模での成長の早さや規模が求められます。

行為の具体例としては、中国がIMFのトップに自国の候補を立てて、当選可能性が高まるような状況を指します。

言説としては、覇権国のイデオロギーの最も根幹の部分に攻撃的言説を与えられる現象を差します。が、この根幹の部分が何か、という具体的なことはなんとも言えません。

アメリカ覇権への挑戦は、実は過去4回あった

アメリカへ挑戦したのは、過去に以下の4つがありました。

  • 冷戦時のソ連
  • 欧州で1980年代後半から90年代初頭にかけて、EUが成立したこと
  • 日本
  • 中国

覇権国への挑戦のあり方で、日本と中国の違いとは?

覇権への挑戦で、日本と中国のあり方の差はどのような点があったのでしょうか?

まず相違点ですが、日米は同盟国であるのに対し、米中は戦略的に経済対立を行っています。

また、日本は先進国のアイデンティティを保持しようとしていますが、中国は途上国としてのアイデンティティを保持しています。

日本と中国の覇権国への挑戦の類似点とは?

日中の類似点はどのようなところにあるのでしょうか?

まずは、急激なキャッチアップが挙げられます。日本の急激なキャッチアップは2回あり、1960年代からの高度経済成長期と、1985年以降のプラザ合意とそれ以後円高ドル安により日本のGDPはドル換算で急激にふくらんだことが挙げられます。

対する中国のキャッチアップは、改革開放路線以降、特に2000年代以降顕著です。90年代はアメリカ経済が好調でしたが、ITバブル崩壊後、再び中国成長が顕著になります。

 

ですが、これらのキャッチアップがあっても、アメリカにとっては覇権の脅威になることはありませんでした。アメリカにとって重要なのは、経常収支の不均衡です。議会では自国の貿易赤字になると、黒字国が悪いことをたくらんでいるからだという陰謀論が強くなっていく傾向があるからです。したがって、黒字の間は、急激な経済成長はあまり気にしないということでもあります。

プラザ合意、バーゼル合意では、日本への制裁、中国への関税障壁を設けるなども、自国の貿易黒字に意識を払っているアメリカの姿勢が伺えます。

 イデオロギー的な面での共通点

イデオロギー的な面での共通点もあります。

アメリカの信奉する「自由経済のイデオロギー」に意義を唱えました。

日本は、経済成長には国家の役割が重要とのイデオロギーの喧伝がありました。背景には、日本経済の急成長がありました。他の途上国にとっては魅力的な、国家介入的な経済モデルでした。しかし、日本経済の失速とともに挫折していきました。

中国は、経済は資本主義ですが、国家は共産主義を取り入れています。ほかの資本主義国からすれば、それでうまくいっているのだから、と、「北京コンセンサス」「国家資本主義」を見直し、勢力が強くなっています。これについて詳しくは、以下の記事でも書いているので参考にして下さい。

 

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グローバルガバナンスの欠如

日本も中国も、グローバルガバナンスの思想を欠いているのではないか、とされます。日本はアジア通貨基金構想を打ち出し、中国はASEAN+3やAllB、一帯一路などをかかげるなど、アジアの地域連携を掲げてはいますが、グローバルな枠組みに関しては提示しておらず、両者の行動は地域的枠組みの範囲内にとどまるものとなっているのです。

つまり、世界のリーダーとしての気持ちと行動を示してはいないという表れになります。

ですが、米国覇権も低下しています。日本やEUも沈んでいる今、グローバルな覇権に挑戦できる資格があるとされるのは、中国だけとされています。