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国際レジームとは?国際社会の政治・経済を分析する上での枠組みを解説

 

国際レジームとは何でしょうか?一言で言うと、国際社会の政治・経済を分析する上での枠組みを指します。この記事では、4つのレジームから、国際政治、経済を捉えていきます。視野を広めて国際社会を見てみたいという方、読んでみて下さい!

国際レジームとは?

国際レジームとは、国際関係における政治的・経済的諸問題の管理とシステムの安定を目的とする原則,規範,規則,および政策決定の手続きの集合概念を指します。

代表的な国際レジームとしては、以下の4つがあります。

  • 通商レジーム
  • 通貨レジーム
  • 金融レジーム
  • 開発レジーム

この記事の以下では、この4つのレジームから、国際社会の政治経済秩序について、どのような枠組みで取り組みや協力がなされてきたか、その枠組みや規範は成功し、機能してきたか、ということを考えてみます。

通商レジームとは?

通商レジームとは、国家間の「モノ」およびサービス取引を司るレジームです。

そもそも、なぜ貿易をするのか?それは、各国が自分の得意なモノの生産を行う方が、世界全体での生産性が上がるとする、比較優位の考え方からきています。

通商レジームを考える上で重要な比較優位とは?

比較優位とは、ぞれぞれが最も得意な分野に特化して生産をする方が、全体としての生産性があがり、多くの生産ができるという考え方です。

国際貿易で言うと、各国が自国の得意分野に専念して生産する方が、世界全体での生産量は最大限になるとする主張を指します。

 

定義は上記の形ですが、それがなぜか、理屈を詳しく知りたい方は、以下に説明を書きましたので読んでみて下さい。

 

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今、アインシュタインとその弟子1人がいるとします。アインシュタインが行う研究作業には、「クリエイティブな作業」と「事務的な作業」があります。

 

クリエイティブとは、研究の仮説を出したり、難しい計算式を立てたりといった内容。他方で「事務的な作業」は、研究に必要な実験データの測定、タイピング、必要物の手配など。

アインシュタインは非常に優秀で、「クリエイティブな作業」も「事務的な作業」も短時間で効率よくこなせます。しかし、弟子は「クリエイティブな作業」が苦手で「事務的な作業」もアインシュタインよりも時間をかけて行うことになります。

このとき、すべてを短時間で行うためにアインシュタインはすべての作業を一人でやるのがよいのかというと、そうではありません。

 

この場合、それぞれが得意な分野に専念すればよいのです。つまり、アインシュタインは「クリエイティブな作業」に専念し、弟子が「事務的な作業」に専念することで、アインシュタインは余計な単純作業に時間を取られることはなく、研究に専念できます。

弟子は弟子で、苦手な「クリエイティブな作業」を行わずに済むことで、弟子の生産性も上げることができます。

これがもし、アインシュタインと弟子、それぞれに「クリエイティブな作業」と「事務的な作業」が均等に分けられたらどうでしょうか。あっという間に生産性は下がります。

 

        クリエイティブ作業(1単位当たり所要時間)  事務的作業
アインシュタイン       1                                     1
弟子          4                                  2


今、事務的な作業20単位、クリエイティブな作業が20単位の実験を成し遂げようとするとき、以下の所要時間がかかります。

  • アインシュタインだけで行う場合                    →40時間
  • クリエイティブな作業と事務的な作業を10単位ずつ、アインシュタイン弟子がそれぞれ行う場合                            アインシュタイン 20時間 弟子60時間
  • 事務的作業を弟子、クリエイティブな作業をアインシュタインで行う場合   →アインシュタインは20時間弟子も20時間

この場合、比較優位の考え方を活かして、アインシュタインが得意な分野、弟子が自身が最も得意とする分野、にそれぞれ特化して生産する方が、アインシュタインと弟子の合計労働時間は少なくて済みます。

これを世界貿易でも同じで、それぞれの国が得意なものの生産に特化することが、世界全体の生産性と富を最大限に引き上げるために有効だとするのが、比較優位の考え方なのです。

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貿易はどのように変化している?

貿易は、かつての自由貿易から保護貿易への傾向が強まっていますが、完全な保護貿易はやはりうまくはいきません。

ですが、グローバル化が進み、各国が異なる利害を持ち、主張する結果、国際社会全体としての共通ルールを作ることは、貿易においても難しくなっています。

 

たとえば、米の輸入自由化をしよう、関税を取り払おう、という取り決めがなされようとしたとき、日本は「それはできない。自国の農家がつぶれるから、○○パーセント以上は関税をかけたい」というかもしれませんし、仮に一部の国がそれに納得しても、また異なる国が異なる主張をしてきます。

 

このような中、かつての貿易ルールは多国間で共通のものが決められてきましたが、現在では、二国間や、一部の国や、地域内での貿易協定、共通の貿易ルールの制定などが主流となる傾向があります。

利害が共通し、ルールを決められる部分に関して、納得できる国同士で、個別に協力し、よりお互いに利益が生まれる決まりを作ろうとする動きと言えます。

結果、GATTやWTOといった機関から、しだいにこれらは停滞し、FTAと呼ばれる、二国間協定、多国間協定が結ばれています。

通貨レジームとは?

通貨レジームは、国際社会を通貨の面から捉えるレジームです。

通貨の関係を司る仕組みとしては、以下のようなものが想定されます。

  • ブレトンウッズ体制
  • ドル本位制
  • 固定相場制
  • 変動相場制


どの体制も、一長一短あり、リスクがあるとされます。

為替相場は変動相場制と固定相場制が入り混じっているというのが現状です。中国は固定相場制と変動相場制の中間とも言えます。

 

 

では、変動相場制や固定相場制のメリットはどいったものがあるのでしょうか?

まず、固定相場制のメリットは、以下のようなものがあります。

  • 輸出競争に有利
  • 為替レートの管理が容易
  • 産業を安定成長させることが容易
  • 安定した為替レートの維持が期待でき、どの国に対しても同じ製品を同じ価格で提供できる

 

輸出産業を育成している新興国には、固定相場制が有利と言えるでしょう。

ただ、固定相場制にはデメリットもあります。それが、国際金融のトリレンマというものです。

国際金融のトリレンマとは?

国際金融のトリレンマとは、金融政策を実現する「自由な資本移動」と「為替相場の安定(固定相場制)」、「独立した金融政策」3要素のうち、同時に2つまでしか実現できないとする仮説のことです。

これら3つのうち1つを捨てることは、選択としては取りたくないものです。

景気対策の手段として有効な金融政策の柔軟性を放棄することはなるべくしたくはないですし、経済のグローバル化が進む今日、資本移動を制限するのも現実的でないものです。

これまでのところ、主要国はメリットの大きい自由な資本移動と独立した金融政策を実現するために変動相場制を採用し、新興国や輸出が経済基盤の国では為替相場の安定を狙って固定相場制を維持しているのが主流です。


世界の主な通貨管理制度とは?

世界の主な通貨管理制度にはどのようなものがあるのでしょうか?

  • ドルペッグ制
  • 通貨バスケット制

などがあります。

では、各国は実際にはどのような通貨管理制度を採用しているのでしょうか?

 

いくつかの例を見ておきましょう。

中国は、管理フロート制を採用しています。管理フロート制とは、実質的に固定相場制の一つで、為替レートを市場メカニズムに任せる形を取るものの、その国の政府・中央銀行が介入して為替レートを管理する制度をいいます。

この管理フロート制により、為替の安定を図っているのです。また、中央銀行(中央人民銀行)による金融政策の自由度を確保する代わりに、外国との資本移動に制限を加えてきました。

 

日本や米国は、「自由な資本移動」と「中央銀行による独立した金融政策」の代わりに、為替の安定性を表向き放棄しているとされます。いわゆる変動相場制をとっているのです。

EUでは、「資本移動(国境などの経済的障壁の撤廃)」と「単一通貨(ユーロ)の流通(複数国による固定相場制導入と事実上同義)」を両立させていますが、金融政策は欧州中央銀行(ECB)に握られており、加盟国が個別の政策をとることはできなくなっています。

ドルペッグ制とは?

米ドルとのペッグ制を採用している固定相場制が、ドルペッグ制と呼ばれます。

経済基盤の弱い国や政情が不安定な新興国などは、通貨価値が不安定になりやすく、正常な経済運営や海外投資の誘導の妨げになりやすくなっています。

ドルペッグ制では、自国の為替レートを米ドルと連動させることで、為替レートと通貨価値の安定が期待できる反面、独自の金融政策を導入することが難しく、インフレのコントロールが難しいというのがデメリットです。

導入されている国としては、香港・香港ドルや、エルサルバドル・コロンビア、パラオ・バルボア、クウェートを除く中東の産油国などが採用しています。

通貨バスケット制とは?

通貨バスケット制とは、自国通貨を複数の外貨と連動した為替レートに固定する仕組みを指します。

通貨バスケット制は、「重み付け」により外国為替市場の影響をコントロールできる一方で、為替レートを決める計算の煩雑さや、為替レート決定のプロセスの不透明さがデメリットとなっています。


通貨バスケット制を採用している国には、シンガポール、ロシア、マレーシア、中国などがあります。

変動相場制のリスクとは?

変動相場制のリスクにはどのような点があるのでしょうか?

リスクの一つとして、政治リスクにより為替が不安定になることが挙げられます。

たとえば、トルコでは、トルコと米国の政治的対立をきっかけに、トルコ通貨リラが急落したという事例があります。

資本主義は成長を前提に語られる?

資本主義は、そもそも経済成長を前提に作られた仕組みであるという批判があります。経済は循環するという前提で語れる、と。

ですが、現実には停滞もするし失速もします。それを意識した制度作りが求められます。現に、先進国は借金で成長を買っている状況にあるところもあります。

 

GDP成長率の3倍もの借金をして、GDP成長率に意味はなくなってしまいますし、財政赤字がGDPの3%ある(返せる見込みはあるのか不明)のに、1%の経済成長を実現しようとしている。そんな状況で経済成長に意味はあるのか、ということです。

ダニエル・コーエンは、「経済成長という呪い」という言葉を出し、

「脱成長を主張できるのは、収入が低下しても大きな影響がない、富裕層だけである」と言っています。

金融レジームとは?

金融面での枠組みを指します。ここで特に特に重要なのが、バーゼル合意です。

バーゼル合意とは?

バーゼル合意には、Ⅰ(1992年)、Ⅱ(2006年~)、Ⅲ(2013年~)があります。

3つありますが、すべて共通目的としているのは、国際業務を行う銀行の自己資本比率や資金の流動性について、統一基準を設けようとすることです。

※自己資本比率は、総資本に対する自己資本の比率のことで、これが高いほど,銀行の資本構成がよく,安全性が高いとされています。

バーゼルⅠは、国際的な銀行システムの健全性の強化と、国際業務に携わる銀行間の競争上の不平等の軽減を目的として策定されました。銀行の自己資本比率の測定方法や、達成すべき最低水準が定められました。


バーゼルⅡは、達成すべき最低水準(8%以上)はバーゼルⅠと普遍で、銀行が抱えるリスク計測を精緻化させます。

バーゼルⅢは、世界的な金融危機の再発を防ぎ、国際金融システムのリスク耐性を高めることを目的として策定されたものです。具体的には、急な資金の引き出しに備えるための流動性規制や、過大なリスクテイクを抑制するためのレバレッジ比率規制等が導入されました。

開発レジームとは?

途上国開発から捉える枠組みです。

先進国から途上国支援が行われていますし、DAC、世界銀行、アジア開発銀行などの国際機関も援助を行っていますが、実は援助も政治的に行われています。当然、自分に見返りがるところ、援助国が将来的に国益を得るところになされることになります。

その結果、当然援助から漏れる国が出てきたり、特定産業に援助が偏るということが起こっています。

こうなると、レジームがきかなくなってきます。

国際レジームは機能している?グローバルガバナンスは機能している?

現状、書くレジームが十分に現実を説明し、機能しているとは言いがたい面があります。つまり、グローバルガバナンスがうまく機能していないと言うことになります。